口腔連鎖球菌の解糖反応律速段階および解糖反応に対する酸性pHとフッ素の影響

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Rate-limiting steps of the glycolytic pathway in oral streptococci and the influence of acidic pH and fluoride on the pathway

この論文をさがす

抄録

口腔連鎖球菌の解糖反応の律速段階を明らかにするため, S. mutans PK1とS. sanguis NCTC10904株の休止菌のグルコース消費速度, 乳酸生成速度, 解糖中間体の菌体内濃度を測定した。これらの測定値から計算した質量作用比と平衡恒数を比較し, S. mutansではATP-グルコースホスホトランスフェラーゼ (AGPT), ピルベートキナーゼおよび乳酸脱水素酵素によって, S. sanguisではAGPTとピルベートキナーゼによって触媒される反応が律速段階であることが分かった。さらにこれら両菌で反応溶液のpHを変化したときの解糖中間体の菌体内濃度の変動から, 酸性pHで解糖速度が減少するのはAGPTにより触媒される反応の阻害のためであること, この阻害はS. mutmsよりもS. sanguisで強いこと, また, S. mutansでのフッ素添加による解糖速度の減少はAGPTとエノラーゼによって触媒される反応の阻害のためであることが考えられた。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ