牛のプロムスルファレン試験半減時間法における注射量とその排泄について

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タイトル別名
  • The Injection Dose of Bromsulphalein and Its Excretion into Urine and Milk in Cattle
  • 牛のブロムスルファレン試験半減時間法における注射量とその排泄について
  • ウシ ノ ブロムスルファレン シケン ハンゲン ジカンホウ ニ オケル チュウ

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抄録

プロムスルファレン (BSP) 試験の半減時間 (BSP-t/2) 法について基礎的な検討を加えた. 健常な成乳牛にBSPo.3~5.ogを静脈注射し, その半減時間 (t/2値) を算出したところ, 各t/2値に著しい差違が認められた. 次に, BSPの注射量1.0g/成牛を基準値とし, 一定の体重範囲ごとに注射量を加減して (BSP1.5g/600~850kg体重, 1.0g/350~650kg, 0.5g/200~400kg, 0.3g/80~250kg, 0, 2g/30~120kg) 静脈注射し, その後3~30分の間に8~10回採血して各血清中のBSP濃度を測定した. さらに, BSPの各血中濃度と経過時間の関係を片対数表にプロットしてBSP血中クリアランス曲線 (ク曲線) を作成し, t/2値を算出した. その結果, ク曲線はBSP注射後5~12分の間ほとんど平行な直線を呈し, またt/2値もきわめて安定で相互に近似した値を示した. 四塩化炭素 (CCl4) を投与した2頭の牛のBSP-t/2値は, 血清生化学成分の変化と相関した経時的変化を示し, また同時に実施したBSP試験の血中停滞率 (BSP-PR) ともきわめて高い相関性を示した (BSP-PRの45分値との相関係数γ=0.971, P>0.001). したがって, 牛におけるBSP-t/2時間は, BSPを上述のとおりに注射して, 注射後5~12分以内に3回以上 (通常3回) 採血し, そのク曲線から算出するのがよいと考えられた. なお, BSPの尿および乳汁中への排泄について検索したところ, 尿中には注射後7時間以内に注射量の1.22%が排泄されただけであり, 乳汁中のBSPには, 注射48時間後においても検出されなかった.

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