寒天調理に関する研究 (第7報)

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書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the Agar-agr for Cookery (Part 7)
  • On the Adhesion between Two layers of Jelly
  • 二色かんの接着について

抄録

(1) 二色かんの接着は、下層ゼリーが半流動状態で、しかも上層ゾルを流し入れても混ざり合わない程度がよく、温度は凝固温度ぐらいのところが接着能はよい。<BR>なお調理の場合には、温度をはかるよりも状態を観察して上層ゾルを流したほうが、操作が容易である。<BR>上層ゾルはなるべく高い温度のときに流し入れるほうが接着しやすい。しかし、みかんしるなどを加えた寒天ゾルは高温にすることはできないから、むしろ下層にするほうが安全である。<BR>(2) 下層ゼリーが完全にゲル化した場合は、表面にすじをつけてから上層ゾルを流し入れて凝固させると、型からだしたとき接着状態がよい。<BR>(3) 寒天濃度が薄いと接着力は弱い。この場合、砂糖を加えると接着しやすくなる。<BR>また、砂糖量の多いほうが接着力は強くなるが、下層ゼリーが完全にゲル化してしまえば、その効果はほとんどなくなる。<BR>(4) 下層が泡雪かんの場合は、半流動性のときに、高温の上層ゾルを流し入れると、下層表面の半流動性の寒天の薄膜と上層ゼリーとの接着がよい。<BR>また、上層を泡雪かんにする場合は、下層ゾルは半流動性になるのをまたずに、ゾル状態のときにあわだてたゾルを流し入れたほうが、均一な網状構造をつくり、接着がよくなる。<BR>(5) 寒天に砂糖を加えたゼリーの融解温度は、寒天濃度および砂糖濃度の高いほど高くなる。

収録刊行物

  • 家政学雑誌

    家政学雑誌 14 (6), 345-349, 1963

    一般社団法人 日本家政学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282681308687104
  • NII論文ID
    130003867923
  • DOI
    10.11428/jhej1951.14.6_345
  • ISSN
    18847870
    04499069
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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