相対次数に依存しないモデル規範形適応制御系の設計法

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タイトル別名
  • A Design Method of Model-Reference Adaptive Control Systems Independent of the Relative Degree of the Process
  • ソウタイ ジスウ ニ イゾンシナイ モデル キハンガタ テキオウ セイギョケイ

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抄録

未知パラメータ,変動パラメータを含む制御対象に対し,要求される性能を規範モデルの形式で表現し,規範モデルの出力に制御対象の出力が追従するように制御装置のパラメータを自動調整するモデル規範形適応制御系は,従来より活発に研究されてきた.<br>連続時間系においては,Monopoli1)以後,実用的な見地から制御対象の出力の微分値を含むことなく制御系を構成する手法について研究が進み,相対次数が2以上の場合の拡張誤差を導入した設計法2)を初めとして,現在では大域的に安定な制御系が構成できるまでに至っている3),4).しかしその設計法の適用にあたっては,制御対象の相対次数が既知であることが前提であり,実用上の障害となっている.<br>これに対し,相対次数に依存しない適応制御系の構成に関する研究5),6)も進められているが,その多くは制御入力の決定にあたってその時点の入力の値を必要とする形式をとっており,実用的ではなく,さらに制御対象の出力の微分を間接的に含むといった欠点がある.<br>本論文では以上の点を踏まえ,従来とは異なる入力合成則と拡張誤差を導入したモデル規範形適応制御系の構成法について述べる.これにより従来の手法では不可能であった,制御対象の出力の微分値を含まず,相対次数に依存しない適応制御系が実現される.なお,本手法においては,拡張誤差の零収束性から直ちには出力誤差の零収束性が保証されない.これについては,サーボ系の構成理論を利用して状態変数フィルタを設計することにより,ある条件のもとで,出力誤差が零に収束することを示した.合せて,本手法の有効性を,数値実験により確認した.

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