肝機能障礙ノ胃液分泌ニ及ボス影響 (第二回報告)

• 村田 三郎

  京都市立京都病院研究室

書誌事項

タイトル別名

• 第二編膽汁及ビ其成分鬱砂積ガ胃液分泌ニ及ボス影響

抄録

犬ニ就キ總輸膽管ヲ結紮スル時ハ結紮後胃液分泌亢進シ初期七、八日間ハ之レヲ持績スルモ、此時期ヲ經過スレバ漸次分泌減弱シテ減酸乃至無酸トナル。<BR>少量ノ豚膽汁ヲ犬ノ靜脈内ニ注射スル時ハ胃分泌ハ著シク催進セラル、即膽汁ハ分泌機能ヲ亢進セシムル作用ヲ有ス。而シテ更ニ此注射ヲ連日反覆スル時ハ初メハ分泌亢進状態ヲ持續スルモ後ニハ漸次分泌減弱ス。稍々大量ノ膽汁ヲ注射スルモ略々同様ニ胃分泌ハ亢進ス。然レドモ之レヲ連日反覆シテ注射スル時ハ、少量注射ニ於ケルガ如キ分泌亢進期時ヲ認ムルコトナクシテ急速ニ分泌ハ減弱ス。<BR>次ニ膽汁成分ナル「ヒヨレステリン」ヲ犬ノ靜脈内ニ注射スル時ハ、膽汁ノ場合ト同様胃液分泌ハ著明ニ催進セラル。更ニ之レヲ反覆注射スル時ハ膽汁ヲ大量注射セル時ト略々同様ニ急速ニ分泌減弱ス。犬ノ總輸膽管ヲ結紮スル時ハ、結紮約二週間後ニ於ケル血中「ヒヨレステリン」量ハ結紮前ニ比シ約三倍ニ増量スルガ故ニ、此際胃液分泌ガ亢進及減弱スルハ、其原因主トシテ血中「ヒヨレステリン」量ノ増加ニ存ス可シ。<BR>即肝臟及膽道疾患ニ伴ヘル胃液分泌異常ノ成因トシテ、膽汁特ニ「ヒヨレステリン」ノ體内鬱積ガ重大ナル意ヲ有スルコトヲ確認シ得タリ。

収録刊行物

• 實驗消化器病學

  實驗消化器病學 11 (2), 147-168, 1936

  財団法人 日本消化器病学会

詳細情報

• CRID: 1390001205396274048
• NII論文ID: 130003972516
• DOI: 10.11405/nisshoshi1926.11.2_147
• ISSN: 21851166
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可