江戸時代人の下顎骨に植立する水平智歯と回転歯

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  • Horizontal wisdom-tooth and rotated teeth on the mandibular jaw in Edo-piriod

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抄録

東京都文京区白山2丁目, もと「法伝寺」跡から発掘された江戸時代人の推定40代の男性下顎骨に著明な水平智歯を具える資料を調査し, 下顎骨に植立したままの観察から順次各大臼歯個々の歯冠および歯根とを対照比較によって, 下顎第3大臼歯が遠心から舌側へ90°の内旋をおこした回転歯であることが鑑別できた。よって, その観察過程を記載し, 回転歯をおこした誘因に言及した。<BR>右水平智歯例の槽間中隔は広大で, すでに軽度の舌側方に内旋をおこした第2大臼歯に下顎第3大臼歯の歯冠が激しく衝突するので, その歯冠の近心側が下顎の左方回転臼磨運動によって舌側方に圧し出され, 遠心から舌側へと90°の内旋する回転歯となった。左智歯例は槽間中隔の狭小で鉛直植立はみたものの, すでに軽度の舌側方回転した第2大臼歯に対する隣接面が突出するため, 智歯の近心隣接面が左方臼磨運動につれて頬側に向きを変え, 遠心側が舌側に内旋する回転歯となった。

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