宮崎県に発生したイバラキ病とその疫学

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タイトル別名
  • An Outbreak of Ibaraki Disease of Cattle in Miyazaki Prefecture
  • 宮城県に発生したイバラキ病とその疫学
  • ミヤギケン ニ ハッセイシタ イバラキビョウ ト ソノ エキガク

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抄録

1987年9月から12月にかけ, 宮崎県内の75戸の農家で飼養されていた993頭中76頭にイバラキ病の発生があった. 発症牛の大部分は4ヵ月齢から13歳までの黒毛和種の雌であった. 発生直後の発症牛から採った45例の血液中17例からイバラキウイルスが分離された. また, その1ヵ月以内に採った血液中には全例でイバラキウイルスに対する抗体が証明された. さらに, 本病未発生農家の飼養牛について, イバラキウイルスに対する抗体調査を実施したところ, 9月には258例中33例 (12.8%) の牛で陽性であったものが翌年1月には326例中169例 (51.8%) で抗体陽性となり, イバラキウイルスの感染が拡大したことも確認された.<BR>いつぼう, 節足動物媒介性ウイルスの動向を調査する目的で8月末より県南の一酪農家に配置した5頭のおとり牛から血液を採取し, ウイルス分離を試みた. その結果, 5頭中3頭のおとり牛から長期間にわたりイバラキウイルスが分離された. このおとり牛では臨床的に全く異常は認あられなかつた. おとり牛繋養農場から採集されたヌカカからはイバラキウイルスは分離されなかったが, 発生状況からみて牛→ヌカカ→牛の感染サイクルの存在が示唆された.

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