8-10族遷移金属触媒による2-, 3-および5-ノナノンの還元アミノ化反応

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タイトル別名
  • Reductive Amination of 2-, 3- and 5-Nonanones Catalyzed by Group 8-10 Metals
  • Reductive Alkylation. Part 4. Reductive Amination of 2-,3- and 5-Nonanones Catalyzed by Group 8-10 Metals.

抄録

8-10遷移金属 (白金族金属) 触媒上で2-, 3-および5-ノナノンの還元アミノ化を検討した. 2-ノナノンでは, Raney Niの場合を除き主生成物は第一級アミンで, 先に報告したノナナールの場合と異なり, 第三級アミンの生成は全く認められず, また第二級アミンがわずか生成したPt, Ir触媒以外, Pd, Ru, Rh, Raney Ni, Raney Co触媒上では第二級アミンの生成は認められなかった. しかし, Pd, Rh, Ir以外の触媒上では, ノナナールの場合に比べて相当するアルコールが多く生成し, 特にRaney Niではアルコールの生成が54%と, 第一級アミンよりもむしろ多く生成した. PdとRh触媒ではアルコールは生成せず, 第一級アミンがそれぞれ100および98%の高選択率で生成した. 酢酸アンモニウムを添加すると触媒により反応率は若干低下したが, 第二級アミンやアルコールの生成が抑制され, 第一級アミン生成の選択率が増大した. 特にRaney NiとRaney Coではアルコールの生成が完全に抑制され, それぞれ100および98%の収率で第一級アミンが得られた. 3-および5-ノナノンは2-ノナノンより反応性が小さく, 2->3->5-ノナノソの順に反応性は低下した. 逆に, アルコール生成の選択性は2-<3-<5-ノナノンの順に増加した. 以上の結果および先に報告したノナナールの結果との相違を, 第一級アミン, 第二級アミンおよびアルコールの生成経路に基づき, 中間体の生成とその反応性に対するカルボニル基に関する立体障害の影響を考慮して考察した. 炭素担持白金族金属触媒による2-, 3-, 5-ノナノンの還元アミノ化は, いずれも無担持金属黒触媒よりも容易に進行し, 異性体間における反応性およびアルコール生成率の相違が金属黒触媒の場合より小さく, 担持触媒では立体障害の影響を受けることが少ないことが示唆された.

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