高水分材料のフレール型ロールベーラ収穫時における添加剤を利用したサイレージ品質改善

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抄録

本試験ではフレール型収穫機を用いる際の高水分条件におけるサイレージの発酵品質改善技術を明らかにするために, 乳酸菌等の添加剤による品質改善効果を明らかにしようとした。<BR>1.イタリアン・エソバク混播サイレージでは対照区のV-SCOREが96点と高く, スノーラクトL添加効果は明かでなかった。<BR>2.エンバクサイレージでは, 対照区は高pHで乳酸含量が低い劣質サイレージとなった。乳酸菌 (スノーラクト, 畜草1号および畜草研保有株PD1) の添加はpHが若干低下する傾向があったが, いずれも劣質サイレージとなった。<BR>3.ギニアグラスサイレージでは対照区はV-SCOREが39点と劣質サイレージであった。添加区では乳酸菌+セルラーゼ (CEL) の添加はいずれの添加区も対照区と比較してpHの低下, 乳酸含量の増加が認められたが畜草1号+CEL区はC4以上含量とVBN/T-N比が対照区と同程度で, 改善効果は十分でなかった。<BR>4.飼料イネサイレージでは対照区のV-SCOREが42点と劣質であった。乳酸菌+CELの添加により, pHの低下, 乳酸含量の増加が認められ, いずれの添加区も対照区と比較して発酵品質が高まった。<BR>5.フレール型ロールベーラで高水分材料を調製する際には乳酸菌を単独またはセルラーゼと混合添加することで, サイレージ発酵品質を改善できることが明らかとなった。菌種についてはPD1添加により乳酸含量が高まり, 九州地域のような高温環境下で適応性が高いことが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680371222784
  • NII論文ID
    130004098092
  • DOI
    10.11461/jwaras1970.34.2_17
  • ISSN
    18846408
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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