救命し得た黄色ブドウ球菌性心内膜炎の1例

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タイトル別名
  • A Successfully Treated Case of Infective Endocarditis Due to <I>Staphylococcus aureus</I>
  • A Successfully Treated Case of Infective Endocarditis Due to Staphylococcus aureus

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抄録

感染性心内膜炎の治療成績は向上したが, 黄色ブ菌による心内膜炎の死亡率はなお高い, 今回同菌による救命し得た心内膜炎を経験したので報告する. 症例は, 23歳, 主婦, 発熱にて入院. 既往歴に, リウマチ熱, 僧帽弁閉鎖不全症あり, 入院時に, 肝脾腫, Osler痛斑, Janeway's lesion, splinter hemorrhageおよび, 僧帽弁閉鎖不全症を認めた. 検査所見では, 血尿, 血沈71mm/hr, 貧血を認め, トランスアミナーゼ, LDH高値, CRPは5+であった. 血液培養にて, 黄色ブ菌を認め, 塞栓所見, 炎症所見より, 同菌による感染性心内膜炎と診断した. セファロシン1日8g, クロサキサシリン1日8g投与を併用したが, 第7病日よりアレルギー反応が出現, セファロシンを中止し, クロキサシリン8gと副腎皮質ステロイドの併用にて第51病日に化学療法を中止し, 以後2年間, 再発をみていない.なお, 本症例の黄色ブ菌のMICは, PCG 0.39μg/ml, MCIPC 0.20μg/ml, CMZ 1.56μg/ml, GM 0.10μg/mlであった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 61 (10), 1153-1159, 1987

    一般社団法人 日本感染症学会

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