第13回体表心臓微小電位研究会 シンポジウム LQT症候群の病態診断における心電学的アプローチ―VT発生との関連について― 二次性LQT症候群を引き起こす薬物の特徴

DOI
  • 杉山 篤
    山梨大学大学院医学工学総合研究部薬理学 山梨臨床薬理研究所技術開発センター

書誌事項

タイトル別名
  • Characteristics of drugs that induce secondary LQT syndrome

抄録

二次性LQT症候群を引き起こす薬物の電気薬理作用を検討した.まず,ハロセン麻酔犬に,クラスIII抗不整脈薬:ドフェチリド,ニフェカラント,アミオダロン,およびIKr電流を抑制する抗不整脈薬以外の薬物:シサプリド(消化管運動促進薬),アステミゾール(抗ヒスタミン薬),スルピリド(向精神薬),ハロペリドール(向精神薬),スパルフロキサシン(抗菌薬)の臨床1日使用相当量の1/10~10倍を静注した.アミオダロンは単相性活動電位持続時間(MAP90)および有効不応期(ERP)を延長したが,MAP90に比べてERPの延長が大きく活動電位終末相(TRP=MAP90-ERP)は短縮した.その他の薬物はMAP90,ERP,TRPを全て延長した.次に, 慢性房室ブロック犬にクラスI I I 抗不整脈薬:セマチリド,ニフェカラント,アミオダロン,および抗不整脈薬以外の薬物:シサプリド,テルフェナジン(抗ヒスタミン薬),スルピリド,スパルフロキサシンの臨床1日量の10倍までを経口投与した.アミオダロン以外の全薬物がTorsades depointesを誘発した.以上より活動電位終末相に対する作用を評価することは致死性不整脈の発生予知に有用であると考えられ,ハロセン麻酔犬と慢性房室ブロック犬の両実験モデルを併用することにより,薬物による二次性LQT症候群の発生を正確に予想できることが判明した.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 36 (Supplement1), 33-36, 2004

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680468175488
  • NII論文ID
    130004136460
  • DOI
    10.11281/shinzo1969.36.supplement1_33
  • ISSN
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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