症例 心筋症を合併した汎発性黒子症候群の1例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A case of lentiginosis profusa syndrome with myocardopathy.

この論文をさがす

抄録

前胸部絞扼感を頻回に訴える汎発性黒子症候群の35歳の男子,心電図上広範囲なST降下,巨大陰性T波,異常q波を認め,収縮期雑音,心房音の亢進があり,心機図で著明なa波の出現,左室拡張末期圧の軽度上昇を認めた.また左室造影で左室腔の形態異常,不均一な収縮を示し,冠状動脈写で左右冠状動脈は正常より太く,血流は豊富であり,心筋症を合併すると診断した症例を報告する.<br>現在までに汎発性黒子症候群は73例の報告があり,そのほとんどが心異常を合併している.その所見は家族性閉塞性心筋症の概念と一致するとされ,色素沈着異常と心臓異常を合併する汎発性黒子症候群の原因は神経冠由来の色素細胞に含まれるTyrosinの代謝過程でのMelaninとEpinephrineの異常に求められているが,本症候群に合併する心疾患の病態究明により,心筋症の本態が明らかにされることが期待される

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 7 (5), 592-599, 1975

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ