反応速度差を利用した電流滴定法によるヒドラジンとヒドロキシルアミンの示差定量

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タイトル別名
  • Differential Determination of Hydrazine and Hydroxylamine in Mixtures by Amperometric Titration Utilizing the Difference in Reaction Rates
  • 回転白金電極を指示電極とする電流滴定法に関する分析化学的研究 XXXVIII  反応速度差を利用した電流滴定法によるヒドラジンとヒドロキシルアミンの示差定量

抄録

ヒドラジンとヒドロキシルアミンのヨウ素酸イオンに対する反応速度差を利用して,混合物の両成分を迅速かつ精度よく電流滴定する方法を開発した。<BR>回転白金電極(+0。6Vvs.SCE)を指示電極,SCEを対極とし,滴定剤であるヨウ素酸イオンの還元電流を測定する電流滴定法によって,種々混合比のヒドラジンとヒドロキシルアミンを逐次定量および示差定量する方法を確立した。<BR>逐次定量法の場合,1.5molμ塩酸に塩化ナトリウムを飽和した基礎液中でまずヒドラジンを滴定し,引きつづき0,3molμになるよう臭化カリウムを,o。8molμ塩酸になるよう水を添加し,塩化ナトリウムを飽和したのち,ヒドロキシルアミンを滴定する。この場合,ヒドラジンに対してヒドロキシルアミンを等モルから8倍モル含む混合物中の両者を0.3%以内の相対誤差で定量することができた。<BR>示差定量法の場合,2.5mol11塩酸に塩化ナトリウムを飽和した基礎液を用いてヒドロキシルアミン中のヒドラジンを滴定する。ヒドラジンとヒド律キシルアミンの合計量は別のアリコートを用い,塩酸につきo,8molμ,臭化カリウムにつきo.31nol/1の溶液に塩化ナトリウムを飽和した基礎液で滴定する。ヒドロキシルアミンは2回の滴定値の差から求める。ヒドラジンに対してヒドロキシルアミンが200倍モル共存しても両成分を2.5%以内の相対誤差で定量できた。<BR>本法は両成分をヨウ素酸カリウムで直接示差的に定量でき,従来の方法に比較して,幅広い混合比の両成分の定量に適用できる。とくに大過剃のヒドロキシルアミン共存下の微量ヒドラジンを迅速かつ簡易に定量できるという長所がある。

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