芳香族ローダニン誘導体の光伝導

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タイトル別名
  • Photoconduction of Aromatic Rhodanine's Derivatives
  • ホウコウゾク ローダニン ユウドウタイ ノ コウデンドウ
  • Electrical conductivities of organic polymers. XVII. Photoconduction of aromatic rhodanine's derivatives.

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抄録

主鎖に複素環をもつポリローダニンは光伝導性のあることをすでに報告した。本報ではポリローダニンの基本構造である3-フェニル-5-ベンジリデンローダニン誘導体の分光特性と可視光の光電流におよぼすそれぞれの置換基効果および光電流の波長依存牲について検討した。芳香族ローダニン誘導体の吸収極大波長は電子供与性置換基の導入により長波長ヘシフトし, 電子受容性の置換基の吸収極大波長への寄与は小さい。チアゾリジン環のカルボニル基の特性吸収波数はHammettのσ値と直線的相関性を示した。 上記誘導体の暗伝導における電気伝導度とσ 値との間には相闘晦が得られ, N(CH3)2置換体の電気伝導度はもっとも高かった。光伝導におよぼす電子供与性置換基の効果はN(CH3)2>NHCOCH3>OCH3>OH>CH3の傾向が得られ, 電子受容性置換基の効果はNO2>Clの傾向が得られた。Eleyの補償剛が成り立ち,低温側と高温側の伝導機構が異なることが示唆された。光電流の照射極性効果から, N(CH3)2, OCH3置換体の主たるキャリヤーは正孔であり, その他の置換体のキャリヤーは電子であることがわかった。また, 光電流の波長依存性は吸収スペクトルと“山と谷”との関係が得られた。

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