ポリヒドロキシ大環状ホストを被覆した固定相を用いた高速液体クロマトグラフィーによるアルコール類の分離

書誌事項

タイトル別名
  • HPLC Separation of Alcohols Using Polyhydroxy Macrocyclic Host Coated Stationary Phase

抄録

シリカゲルにオクタデシル基を化学結合した逆相カラムであるシリカ-ODSカラムにポリヒドロキシ大環状ホスト分子を被覆したカラムを作成し,これを用いた鎖状および環状のモノオールやジオール,糖誘導体などのアルコールの分離を調べた.用いたホスト分子はヒドロキシル基対からなる極性部位を有しているためカラム表面の極性が増加し,ホスト被覆カラムの保持時間(Rh)が被覆していないカラムの保持時間(Rh)よりも減少する傾向が殆どの基質においてみられた.ホスト非被覆カラムと被覆カラムとの保持時間差(RO-Rh)を非被覆カラムの保持時間に対してプロットすると直線関係が成立するが,下に述べるシクロヘキサソジオールのほか,1-ペンタノールおよびシクロヘキサノール,4-メチルシクロヘキサノール,ヘキシルα-およびβ-キシロシドに関しては直線関係より下方に大きくずれる.つまり保持時間の減少が少ないことから,これらの基質はホスト分子と疎水的に相互作用していることを示している.特に,1,2一および1,3-,cis-1,4-シクロヘキサンジオールでは逆にホスト被覆カラムの保持時間がわずかながら増大した.これは,これらの基質が充填剤表面のホスト分子と強く相互作用した結果であり,立体選択性などの結果をあわせて考えると,疎水性相互作用のみならず水素結合が関与しているものと考えられる.

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ