Helicobacter Pyloriと胃病変内の細胞のAgNORs所見

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  • The Incidence of the Presence of Helicobacter Pylori (H. P) among Various Gastric Diseases and Relation with he Findings of AgNORs.

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抄録

1, 267例の内視鏡下生検組織について, 固定前塗抹Giemsa染色, 固定後組織標本に対するHE染色, Giemsa染色, Gimenez染色, AgNORs染色を行い, 全例油浸レンズで検索した。Helicobacter Pylori (H.p.) の検出率は塗抹Giemsa標本に最も高く, 次いで組織Giemsa標本であった。陽性率は40歳以後高くなる。胃炎および胃癌では組織Giemsa標本でみるとともに陽性率は50%台であり, 胃潰瘍では高く, 特に活動期に高く, 治癒期, 瘢痕期と漸減する。AgNORs染色により, 蛋白産生能力の検査の一法として観察すると, ドット数はH.p.の存否とは, どの疾患も関係なく, 悪性に転化する一指標と考える直径3μm以上の大型ドットは, 胃癌では各組織型ともに, H.p.陽性例に2~4倍高率に認められた。以上の成績から, H.p.は, 胃癌に対するinitiatorとは考え難く, promotorである可能性を示した。また, 胃潰瘍再生上皮も, ややそれに近い数字を示した。

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