ダイコン芽生えのアントシアン生合成にあずかる標識アミノ酸の行方

書誌事項

タイトル別名
  • Fate of <sup>14</sup>C-Labeled Amino Acids Administered to the Seedlings of Red Radish with Special Regard to Anthocyanin Biosynthesis Studies on Anthocyanins, LII
  • アントシアン研究-52-ダイコン芽生えのアントシアン生合成にあずかる標識アミノ酸の行方〔英文〕
  • アントシアン ケンキュウ 52 ダイコン メバエ ノ アントシアン セイゴウセイ ニ アズカル ヒョウシキ アミノサン ノ ユクエ エイブン
  • Fate of 14C-Labeled Amino Acids Administered to the Seedlings of Red Radish with Special Regard to Anthocyanin Biosynthesis Studies on Anthocyanins, LII
  • アントシアン研究•第52報

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抄録

著者らは前報 (本誌78:481) で若干のアミノ酸がアントシアン形成を促進することを報告したが, 今回こ れを確認するために6種類の14C-アミノ酸 (フェニルアラニン, チロシン, ロイシン, ヴァリン, スレオニン, アスパラギン酸)をそれぞれ赤ダイコンの芽えに供与して14Cの行方を追跡した.その結果, これらのアミノ 酸は, いずれもアントシアニン (ラファヌシン) の生合成に利用されることがわかった. したがって, アミノ 酸による色素生産の促進効果は, 他の共役代謝系を刺激するというような間接的なものではなく, むしろ 直接アントシアン合成系へ入るためとみられる. この事実は, 既知のシキミ酸経路のほかに, アミノ酸を 含む別個の生合成経路の存在を暗示するものであり, これをめぐり若干の論議を試みた. 因みに, 色素部 分への14Cの取込みは, 予期のごとく, フェニルアラニンが最大であるが, ロイシン, アスパラギン酸, スレオニン, チロシンでもその約1/3程度の取込みがみられる (第2表). 特に注目すべぎことは芳香環をもた ないロイシン-14Cの取込みである. このアミノ酸の14Cはもっぱら色素配糖体のアグリコン部分 (ペラルゴニ ジン) に取込まれ, 糖部分や有機酸部分へはほとんど移行しない. 今後, この特異性を手がかりに14Cの行 方を詳細に研究する必要がある.

収録刊行物

  • 植物学雑誌

    植物学雑誌 79 (934), 156-164, 1966

    公益社団法人 日本植物学会

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