無菌性心膜炎犬を用いた心房細動における経食道電気除細動の効用

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タイトル別名
  • Efficacy of transesophageal atrial defibrillation method in the sterile pericarditis model.

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抄録

より低エネルギーでの心房除細動法の検討のため, 経食道電極を用いた通電法を検討した.9頭の無菌性心内膜犬を作製し右心耳, 上大静脈部近傍, 下大動脈部近傍の右房3ヵ所に電極リードを縫合した.手術1~4週後にいずれか1ヵ所から電気刺激を加え, 心房細動を誘発した.長さ80mm, 直径20mmの円筒形の食道電極 (表面積12cm2) を陽極, 体表面電極 (100×30mm) を陰極とし除細動を試みた.心房細動における除細動波形は単相波 (M) , 二相波 (B) の2種類であり, Mではパルス幅10ms, Bでは3-1-7 (初期陽性相, 相間時間, 第二相陰性相ms) (B3) , 5-1-5 (B5) , 7-1-3 (B7) , 9-1-1 (B9) で検討した.実際に出力された除細動波形の電圧と電流値を測定し, エネルギー数を算出した.心房除細動閾値 (ADFT) は心房除細動成功での最低エネルギー値とした.9頭中7頭に心房細動が誘発された.2頭では心房粗動が誘発されたため, 本検討ではこれを除外した.ADFTではMは1.9±2.2J, B3は3.3±1.1J, B5は2.5±2.1J, B7は1.9±1.0J, B9は2.1±1.1J (B3vs B7=p<0.05; Mvs B3=p<0.01, B3vs B9=p<0.001) であった.<BR>経食道心房除細動はMとB7のADFTが低かった.心房細動における経食道電気除細動は臨床上十分応用できるものと考えられた.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 18 (1), 33-39, 1998

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (15)*注記

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