頸動脈洞マッサージ、テンシロン静注の二重負荷による興奮発生、伝導異常の検出

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タイトル別名
  • The detection of latent abnormalities of impulse formation and conduction with the combined use of carotid sinus massage and tensilon injection

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抄録

テンシロン10mg静注下の右または左頸動脈洞マッサージという二重刺激によって始めて顕在化する3つの主な所見, すなわち3秒以上の洞休止, 1個または連続2個の房室ブロック, 補充収縮の出現例数を調べ, その相互関係について考察した。心房ペーシング下の心腔内誘導により, 長い洞休止期中にも房室伝導障害がAHブロックの形で存在することを確かめた。また補充収縮については, 心腔内誘導でとらえた5例中4例が, いわゆるnodalではなくfascicular originであることを記録し得た。正常房室伝導路の抑制により, 副伝導路の潜在を顕在化させたものが2例あり, また洞調律と補充調律との競合を記録したものが1例あった。洞休止 (3秒以上) , 房室ブロック, 補充収縮の何れか少なくとも1つを有する人は65例中26例であり, この二重負荷は, 将来ある時期に治療を必要とする人を見出すのに有効な方法と考えた。

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 3 (2), 201-209, 1983

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

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