矯正学的な咬合再構築における現状と問題点

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タイトル別名
  • Present State and Remaining Problems in Orthodontic Occlusal Reconstruction (IV)
  • Part 4: Antiaging dental care and orthodontics
  • 第4報: アンチエイジング歯科医療と矯正歯科

抄録

近年, 平均寿命の伸びや出生率の低下により少子高齢化が急速に進んでいる.このことは, 公的医療保険の負担が限界に近づいていることを意味する.しかし, 高齢者の多くが健康であればその負担は抑えられる.つまり, 従来の医療が対象にしていた「病気の治療」から, 「健康な人のさらなる健康」に転換する必要がある.それが, アンチエイジング (抗加齢) 医療である.つまり, 人の健康にとって重要である口腔に関して, 歯科, とくに矯正歯科領域においても, 「不正咬合による障害が起こる前に予防する」ことが, 積極的なアンチエイジング歯科医療として重要である.<BR>本稿では, 下顎前歯の外傷性咬合をともなう前歯部フレアーアウト症例, 埋伏歯をともなう前歯部萌出障害症例に対して早期治療を試みた.その結果,<BR>1.上顎前歯口蓋側歯肉に下顎前歯の圧痕をともなう上顎前突症例に対して早期治療した結果, 上顎前突改善のみでなく, 臼歯部崩壊による前歯部フレアーアウトや正中離開・上顎前歯口蓋側歯肉の退縮を起こすことを未然に予防できた.<BR>2.上顎右側中切歯の水平埋伏をともなった症例に対して早期治療した結果, 埋伏歯が原因で叢生や隣在歯の歯根吸収が起こることを未然に予防できた.<BR>以上より, 「不正咬合による障害が起こる前に予防する」ことが, 積極的なアンチエイジング歯科医療として重要であると示唆された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205199894656
  • NII論文ID
    130004258916
  • DOI
    10.14399/jacd1999.27.126
  • ISSN
    18848230
    13468111
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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