激しい前庭症状を伴つたHunt症候群の神経耳科的検討

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タイトル別名
  • Otoneurological Study of Hunt Syndrome associated with Severe Vertigo
  • ハゲシイ ゼンテイ ショウジョウ オ トモナッタ Hunt ショウコウグン ノ

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抄録

19才男子で右耳痛, 右耳介ヘルペス, 右顔面神経麻痺, 右難聴があり, 嘔吐を伴う激しい眩量を主訴として来院して, 頭蓋内疾患との鑑別に苦慮した完全型Hunt症候群の1例を報告した.<br>平衡機能険査は入院時起立不能のため十分な検査は不可能であつたが, 仰臥位にて注視時及びFrenzel眼鏡装用下左向自発眼振を認めた. 眩量は一たん軽快したが入院1週後より嘔吐を伴う激しい眩量が約1週間持続し左右注視眼振が認められた. ENG記録により経過観察を行い左向自発眼振が再び認められた. 聴力検査では右聾であつた. 温度検査では4℃30℃の水にて右側は無反応であつた. ビタミン剤, ATP, ステロイドの内服及び静注とγ-グロブリンの静注を行つた. 入院4週後に眩量は軽快し退院した. 神経耳科的検査より右側前庭第1ノイロンの病変を考えHunt症候群における神経耳科学的険査の重要性を強調した.

収録刊行物

  • 医療

    医療 33 (4), 364-369, 1979

    一般社団法人 国立医療学会

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