結核菌感染診断用全血インターフエロンγ測定検査の採血から培養開始までの時間と測定値の関係についての検討

DOI
  • 福井 基成
    田附興風会医学研究所北野病院呼吸器内科
  • 島川 宏一
    シオノギバイオメディカルラボラトリーズ
  • 糸谷 涼
    田附興風会医学研究所北野病院呼吸器内科
  • 石床 学
    田附興風会医学研究所北野病院呼吸器内科
  • 鈴木 進子
    田附興風会医学研究所北野病院呼吸器内科
  • 相原 顕作
    田附興風会医学研究所北野病院呼吸器内科
  • 松本 正孝
    田附興風会医学研究所北野病院呼吸器内科
  • 小熊 毅
    田附興風会医学研究所北野病院呼吸器内科
  • 竹村 昌也
    田附興風会医学研究所北野病院呼吸器内科
  • 鍵岡 均
    田附興風会医学研究所北野病院呼吸器内科
  • 速永 淳
    株式会社エスアールエル首都圏地域検査部細菌検査課

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between Time Taken from Collection of Blood to Incubation and Measurement in Whole-blood Interferon γ Assay for Diagnosis of <I>Mycobacterium Tuberculosis</I> Infection
  • Relationship between Time Taken from Collection of Blood to Incubation and Measurement in Whole-blood Interferon ^|^gamma; Assay for Diagnosis of Mycobacterium Tuberculosis Infection

抄録

患者の全血を2種類の結核菌特異抗原と培養することで産生されるインターフェロンγ量を測定するQuantiFERON TB-2G (以下QFT) の導入で, 結核感染をより正確に診断できるようになった.しかし, 病院外の検査センターでQFTを実施する場合には, 検体輸送に時間がかかる.そこで, QFTの採血から培養開始までの時間 (培養前時間) と測定値の関係について検討を行った.結核感染を強く疑う患者の全血を病院内で採取し, 直ちに検査センターに輸送した.採血して1, 3, 6, 9および12時間後, 分注した全血に各々刺激抗原E (ESAT-6) とC (CFP-10), 陰性および陽性コントロールを滴下し培養を開始した.培養後ELISAで測定した抗原E, Cの培養上清のインターフェロンγ濃度から陰性コントロール値を引いたものを測定値E, Cとし, 0.35IU/mL以上を陽性, 0.10IU/mL未満を陰性, その中間を判定保留とした.今回, 培養前時間が1時間の場合の測定値EまたはCが0.101U/mL以上であった8名の患者について検討を行った.その結果, 培養前時間が6時間を超えると, 1時間の時と比べて測定値E, Cの減衰は顕著となり, 測定値Eでは2例で陽性が判定保留に, 2例で判定保留が陰性になった.測定値Cでは2例で陽性が判定保留か陰性に, 1例で判定保留が陰性に変わった.測定値EとCのうち高値の方で判定しても, 8例中4例で培養前時間によって結果が異なった.以上の結果より, QFTにおいては採血後6時間以内に培養を開始することが望ましいと考えられる.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 81 (4), 421-425, 2007

    一般社団法人 日本感染症学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205050147200
  • NII論文ID
    130004331378
  • DOI
    10.11150/kansenshogakuzasshi1970.81.421
  • ISSN
    1884569X
    03875911
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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