新生児感染症に対する Aztreonam の臨床評価

書誌事項

タイトル別名
  • CLINICAL EVALUATION OF AZTREONAM IN NEONATAL INFECTIONS

抄録

新生児, 未熟児におけるAztreonamの血中濃度, 尿中排泄及び臨床使用成績を検討し, 以下の成績を得た。<BR>1.本剤静注後1時間後の血中濃度は約10mg/kg投与例で21.0μg/ml, 約20mg/kg投与の7例で平均44.2μg/mlと用量依存性が認められた。血中濃度半減期は成熟児3例の平均4.75時間, 未熟児4例の平均6.59時間と, 未熟児で延長していた。生後64日齢の半減期は3.80時間であつた。2例の尿中回収率は52.1, 51.9%であつた。<BR>2.10例の新生児, 未熟児に本剤1日39.9~63.3mg/kgを2回又は3回に分割静注したが, 5例は本剤単独投与, 5例はAmpicillin (ABPC) との併用投与であつた。治療に用いた8例中, 判定不能2例を除く3疾患 (敗血症1例, 敗血症疑い1例, 尿路感染症4例) ではすべてに有効以上で, 起炎菌 (Escherichia coli 2株, Klebsiella pneumoniae 1株, Enterobacter 2株) はすべて消失した。感染予防に使用した2例ではいずれも感染はおこらなかつたが, うち1例は52日間投与例で, 副作用及び検査値異常を認めなかつた。<BR>3.副作用は全くみられなかった。検査値異常として, 軽度の血小板数及びGOTの上昇を各1例認めた。GOT値は投与終了後も持続高値で, 原疾患である心不全のためと考えられた。<BR>4.以上の成績から, 本剤はグラム陰性菌による新生児期細菌感染症に有効, 安全な抗生剤であるが, 起炎菌判明前はABPCとの併用で開始し, 菌が判明した時点でいずれか一方の投与に変更する方法が安全であろう。投与方法は生後7日以内では1回20mg/kgを1日2回ないしは3回の投与で所期の効果をあげうるものと考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205495944320
  • NII論文ID
    130004395105
  • DOI
    10.11553/antibiotics1968b.43.493
  • COI
    1:STN:280:DyaK3czisFGitA%3D%3D
  • ISSN
    21865477
    03682781
  • PubMed
    2374299
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • PubMed
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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