聴神経腫瘍摘出後に対側耳におこつたメニエール病発作

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タイトル別名
  • Vertiginous attacks of Meniere's disease occurring in the contralateral ear after the surgical removal of an acoustic neurinoma

抄録

めまい発作をくりかえしていた59歳の男性に, MRI (magnetic resonance imaging) で左側の聴神経腫瘍が見つかり, 1987年に摘出した. 1989年から, 再びめまいをくりかえすようになり, 発作時には眼振や偏筒を伴つた. この症例は, 次の点で興味深い.<BR>1) 左聴神経腫瘍摘出後に, メニエール病の発作をおこした. これは右内耳におこつたものである.<BR>2) 発作中に, 右向き眼振だけでなく, 左向き眼振も見られた. 左迷路機能はゼロに相当するため, これは左迷路に対する中枢代償と右迷路の応答でおこつた麻痺性眼振である.<BR>3) 発作中眼振の方向いかんにかかわらず, 足踏回転角は, 左向きかもしくは0°であつた. このことは, 迷路眼反射と迷路脊髄反射の代償を行う場所や程度が異なつていることを示唆している.<BR>4) 発作の主導権が, 左内耳から右内耳へ移つたのは, 腫瘍摘出直前の第3回目の発作からである. このことは, 温度検査の分析から証明できる.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205499918848
  • NII論文ID
    130004404085
  • DOI
    10.11334/jibi1954.40.5_737
  • ISSN
    04477227
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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