下咽頭血管腫の臨床的検討

DOI
  • 香取 秀明
    Department of Otolaryngology, Yokohama City University Medical Center
  • 佃 守
    Department of Otolaryngology, Yokohama City University School of Medicine

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タイトル別名
  • A clinical analysis of hypopharyngeal hemangioma

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抄録

頭頸部は血管腫の好発部位であるが、下咽頭の血管腫はまれである。過去4年間に当院にて3例の下咽頭血管腫に対してNd:YAGレーザーを用いて治療を行い、良好な経過を得ることができたので、その中の1症例を提示し、文献的考察を加え報告する。症例は58歳、男性で主訴は咽頭異常感であった。喉頭ファイバースコープで左梨状陥凹から輪状後部、披裂軟骨に至る表面平滑、暗褐色の隆起性病変を認めた。全身麻酔下にて直達喉頭鏡を用いて下咽頭腫瘍を観察し、Nd:YAGレーザーにて腫瘍を一塊に摘出した。止血はレーザーで十分可能であり、術後喉頭の浮腫、気道狭窄はなかった。術後3年1カ月経過したが下咽頭の狭窄や血管腫の再発を認めていない。下咽頭血管腫に対してNd:YAGレーザーを用いて治療は有効であると思われた。

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