症例 致死的上室性頻拍に対し経静脈的電極カテーテルによる房室接合部のelectrical ablationを試みた1例

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タイトル別名
  • Catheter-induced ablation of atrioventricular junction for the treatment of lethal supraventricular tachycardia

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抄録

致死的上室性頻拍症に対し経静脈的にヒス束用電極カテーテルを挿入しこれを介して房室接合部のelectrical ablationを施行し一時的ながら完全房室ブロック作製に成功した.症例は30歳女性.妊娠第31週にて切迫早産.上室性頻拍症を合併しその後男児出産.1:1房室伝導を伴うレート220/分の心房性頻拍症で各種抗不整脈剤,高頻度右房刺激,直流除細動は全て無効でありやむをえず房室接合部のelectrical ablationを施行した.その結果約30分間の完全房室ブロック作製に成功しその後も約4時間2度房室ブロックが続いた.しかし突如1:1房室伝導が回復し永眠された.手技中VPCが散発したが十分コントロールできた.死後剖検では三尖弁中隔尖と前尖との間にelectrical ablationによると思われる出血斑をみとめた他異常なかった.本法は適応を十分考慮すれば今後一部の症例に対して有効と思われた.本例は本邦での臨床応用第1例目であり報告した.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 18 (1), 65-70, 1986

    Japan Heart Foundation

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