症例 健康食品摂取後にwarfarinの作用が弱まり大腿動脈塞栓症を発症した僧帽弁狭窄症の1例

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タイトル別名
  • A case of mitral stenosis complicated with embolism of femoral artery induced with an adverse effect of dietary supplementation on warfarin

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抄録

健康食品の摂取により,warfarinの抗凝固作用が減弱し塞栓症を発症した1例を経験した.55歳女性で,僧帽弁狭窄症に伴う慢性心房細動に対してwarfarinを服用しており,トロンボテスト値は安定していた.感冒に罹患し,食事摂取の不十分な状態が続いた約1カ月後に突然,右大腿動脈塞栓症を発症した.Warfarinの内服は規則正しく,食事摂取が不十分で感冒薬を服用するというwarfarinの抗凝固作用が増強しうる状況下にもかかわらず,トロンボテスト値は98%まで上昇した.発症の15日前から食欲増進の目的で摂取していた健康食品中に,1日当たり納豆9gに匹敵する量のビタミンKが含まれており,このためwarfarinの抗凝固作用が弱まり,動脈塞栓をきたしたと考えられた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 33 (6), 525-528, 2001

    Japan Heart Foundation

被引用文献 (1)*注記

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