症例 Late reperfusionが房室プロックの解除に有効であった急性下壁心筋梗塞の2例

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タイトル別名
  • Effects of late coronary reperfusion therapy in patients with acute inferior wall myocardial infarction complicated with atrioventricular block-Case report

抄録

梗塞責任血管(右冠動脈)に対するlate reperfusion therapyが房室ブロックの解除に有効と考えられた急性下壁心筋梗塞2例を経験した.<BR>症例1は79歳女性.急性下壁心筋梗塞発症約12時間30分後入院となる.胸痛は消失しており,心不全徴候もなかった.心電図は洞調律で,保存的治療を開始した.第4病日,第2度房室ブロックの出現とともに心不全をきたした.体外一時ペーシングを行うとともに,冠動脈造影を施行.右冠動脈#2の完全閉塞に対して血管形成術を施行した.術後約2時間で心電図は第1度房室ブロックに軽快,血行動態も安定化した.<BR>症例2は79歳男性.急性下壁心筋梗塞発症約3日で入院.心不全をきたしていた.心電図は第3度房室ブロックで心拍数35/分の徐脈.体外一時ペーシングを行うとともに,冠動脈造影所見から右冠動脈#3の完全閉塞に対して血管形成術を施行した.術後約24時間で心電図は第1度房室ブロックに軽快し,心不全も改善,早期リハビリテーションが可能となった.<BR>Late reperfusion therapyは心破裂を増加させる可能性もあり,その適応は更に検討されなければならないが,房室ブロックの出現により血行動態が悪化し,房室ブロックの回復が遷延している急性下壁心筋梗塞症例には,late reperfusionの適応が検討されるべきであると考えられた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 34 (8), 655-659, 2002

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680465075840
  • NII論文ID
    130004414925
  • DOI
    10.11281/shinzo1969.34.8_655
  • ISSN
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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