第16回心臓性急死研究会 高カリウム血症による難治性心室頻拍に塩酸ニフェカラントが著効した1例

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  • Suppression of refractory ventricular tachycardia by nifekalant hydrochloride in a patient with hyperkalemia

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抄録

症例は65歳男性.糖尿病性腎症でH9年より維持透析中.H14年2月不安定狭心症を呈し,当院にて右冠動脈近位部に緊急カテーテルインターベンション(PCI).その後再狭窄を繰り返し2回PCI施行.H14年10月9日再び不安定狭心症となり緊急入院となる.入院時血清カリウム7.4meq/Lと高カリウム血症を呈し,心室性期外収縮の頻発,連発を認めた.ニトログリセリン,グルコン酸カルシウム,炭酸水素ナトリウム,キシロカインを投与し,緊急カテーテル検査の準備をしていたが,持続性心室頻拍となり,ショック状態となる.上記薬剤を再投与しつつ,計3回の電気的除細動を行い一時的には洞調律に復すも十数秒後には再び心室頻拍となる.このため塩酸ニフェカラント17mgを静注したところ心室頻拍,心室性期外収縮は速やかに消失した.引き続きニフェカラントを0.4mg/kg/時間で点滴.高カリウム血症は持続するも,心室頻拍の再発はなく,引き続き安全にPCI,血液透析を施行しえた症例を経験したので報告する.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 36 (Supplement3), 83-86, 2004

    Japan Heart Foundation

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