中性温環境下における降雨と風が歩行運動中のヒトの体温反応及びエネルギー代謝に及ぼす影響

  • 伊藤 僚
    中京大学大学院体育学研究科運動生理学研究室
  • 山下 直之
    中京大学大学院体育学研究科運動生理学研究室
  • 中野 匡隆
    中京大学大学院体育学研究科運動生理学研究室
  • 山本 彩未
    中京大学大学院体育学研究科運動生理学研究室
  • 松本 孝朗
    中京大学大学院体育学研究科運動生理学研究室
  • 北川 薫
    中京大学大学院体育学研究科運動生理学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of rain and wind on thermal and metabolic responses during walking under thermoneutral condition in humans
  • チュウセイオン カンキョウ カ ニ オケル コウウ ト カゼ ガ ホコウ ウンドウ チュウ ノ ヒト ノ タイオン ハンノウ オヨビ エネルギー タイシャ ニ オヨボス エイキョウ

この論文をさがす

抄録

雨や風に暴露されると体温低下やエネルギー消費量が増加することが考えられる.そこで歩行運動中の雨と風がヒトの体温反応および代謝反応に及ぼす影響について検討した.7名の男性が歩行速度 1 m/s のトレッドミル歩行運動を中性温環境(CON),中性温+降雨環境(RAIN),中性温+風環境(WIND)でそれぞれ30分間実施した.3条件の環境温は24℃に設定した.相対湿度は RAIN(80~90%RH)を除いて 50%RH とした.RAIN の降雨量は 30 mm/h,WIND の風速は 3 m/s に設定した.歩行運動中は歩行速度と等しい向かい風を各条件で送風した.歩行中,直腸温は各条件とも緩やかに上昇した.RAIN と WIND の平均皮膚温は安静時から運動終了時にかけて約4℃低下し,CON と比較して有意に低い値を示した.安静時および運動時の酸素消費量,心拍数,主観的運動強度,血中乳酸濃度は条件間に有意差は認められなかった.これらの結果から,運動による熱産生と末梢血管収縮が熱損失を防いだと考えられ,中性温環境では雨と風が歩行運動中の体温反応・代謝反応に及ぼす影響は小さいことが明らかとなった.<br>

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (31)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ