集中治療領域における急性血液浄化法の今後の展望  敗血症性多臓器不全症例に対するエンドトキシン吸着療法(PMX‐DHP)の効果

  • 池田 寿昭
    東京医科大学八王子医療センター特定集中治療部
  • 池田 一美
    東京医科大学八王子医療センター特定集中治療部
  • 黒木 雄一
    東京医科大学八王子医療センター特定集中治療部

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Effects of Endotoxin Adsorption Therapy for Patients with Septic Multiple Organ Failure

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抄録

  敗血症性多臓器不全 (septic MOF) に対するエンドトキシン吸着療法 (PMX-DHP) 施行症例を予後別に分類し, 背景因子, 病態を検討した. ショック発症よりPMX-DHP施行開始までの時間は群間に有意差はなかった. 循環器系は両群とも改善し, PaO2/FiO2は生存群で有意に改善した. TNF-α, IL-6, IL-8は, PMX-DHP施行前後で変化はないが, IL-8は死亡群で生存群に比し有意に高値を呈した. IL-10, IL-1raは, 死亡群は生存群に比して高い傾向にあった. また, PMX-DHP施行前後でIL-1raは両群とも有意に減少し, 生存群でELAM-1, PAI-1がPMX-DHP施行後に低下した. 以上のことから, PMX-DHPの有効性を期待するには, 重症度および施行のタイミングを考慮することが重要である.

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