プレホスピタルでの12誘導心電図伝送システムの活用

  • 菊地 研
    獨協医科大学心臓・血管内科 J-PULSE(Japanese Population-based Utstein-style study with basic and advanced Life Support Education)Group
  • 野々木 宏
    静岡県立総合病院 J-PULSE(Japanese Population-based Utstein-style study with basic and advanced Life Support Education)Group

書誌事項

タイトル別名
  • Utility of Prehospital 12-lead Electrocardiogram Transmission System in Emergency Care

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抄録

  最新の蘇生ガイドラインでは,ST上昇型心筋梗塞(STEMI)の早期診断が再灌流達成までの時間短縮へつながるため,病院到着前の12誘導心電図伝送を勧告している.この伝送システムとして,「モバイル・テレメディシン・システム(MTS)」と「ワイヤレス心電計を用いた12誘導心電図伝送システム(WES)」の開発と実用化を行ってきた.「MTS」は動画や12誘導心電図をリアルタイムで救急車から搬送病院へ伝送するもので,「WES」はワイヤレス小型心電計で記録された12誘導心電図情報がBluetooth(ブルートゥース)を介してタブレット端末で受信され,JPEGに変換した画像を搬送病院へ電子メールで送信するものである.これらのシステムにより,来院から再灌流達成までの時間(Door-to-Balloon Time)の短縮だけでなく,救急隊の現場到着から再灌流達成までの時間(EMS-to-Balloon Time)の短縮が可能になる.STEMIの転帰改善を目指した地域での診療体制の構築が期待される.

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