脳梗塞による麻痺側に化膿性股関節炎と脱臼をきたした1例

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  • Septic Dislocation of Hip in Adult Monoplegia Patient with Brain Infarction: A Case Report

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抄録

小児において化膿性股関節炎に股関節脱臼が合併することはよく報告されているが,成人における報告は非常にまれである.症例は47歳,男性で,平成17年脳梗塞発症し,右下肢麻痺となり,平成19年1月から寝たきりであった.発熱と褥瘡のため,2月22日入院した.仙骨部,左大転子部,左背部に大きな褥瘡があり,WBC 24100,CRP 26と炎症反応を認めた.褥瘡のデブリードマン,抗生剤の投与にて一旦軽快していたが,3月下旬ショックと炎症反応の再上昇を認めた.CT検査にて,右股関節脱臼と周囲に膿瘍と思われる陰影があり,化膿性股関節炎に伴う脱臼と診断した.切開排膿,ドレナージチューブ留置と抗生剤の投与にて感染は軽快したが,脱臼はそのままである.麻痺側で屈曲,内転位拘縮した股関節は後方へ易脱臼肢位にあり,感染による関節構成体の脆弱化と破壊により病的脱臼をきたしたと思われた.

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