幼稚園児に発症した大腿骨頭すべり症の1症例

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  • Treatment of Slipped Capital Femoral Epiphysis in Natural Infancy: A Case Report

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抄録

【目的】大腿骨頭すべり症は10~12歳で発症することが多いとされている.今回我々は,6歳1カ月,男児の発症を経験したので報告する.【症例】主訴は右股関節痛,大腿部痛.右股関節の可動域制限を認め,Drehmann徴候が陽性であった.X線上,posterior tilting angleは30°であった.単純性肥満を認めた.MRI上,骨端線拡大,すべりを認めたが,骨端壊死の所見はなかった.健側に異常所見を認めなかった.K-wireによるin situ pinning施行.術後5週で部分荷重開始,8週で全荷重とした.成長に伴い徐々にK-wireの逸脱を認めたため,完全に骨端線から逸脱した術後12カ月で抜線術施行した.術後3年目までは再すべりや健側すべりの所見なく,骨端線は閉鎖せずに頚部成長は続いており,歩容も良好である.【考察】若年例の本症に対しては,骨端線閉鎖までの期間が長期間であることより大腿骨近位の成長障害や再すべり,さらには健側のすべり症の発生を考慮する必要がある.

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