大腿骨骨幹部骨折の治療に難渋した骨Paget病の1例

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  • Paget's Disease of Bone with Pathological Shaft Fracture of Femur: A Case Report

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抄録

【目的】大腿骨骨幹部骨折をきたし,その観血的治療に難渋した骨Paget病の1例を報告する.【症例】74歳,女性.65歳時に骨Paget病と診断され,リセドロネートを処方されていたが,転倒し,右大腿部痛をきたした.単純X線で著明なbowing deformityを伴う大腿骨の骨幹部骨折を認め,骨Paget病に合併した病的骨折と診断した.Ender釘による骨接合を実施したが偽関節となったため,受傷7ヵ月後にケーブルプレートと腸骨移植による偽関節手術を追加した.しかし,やはり骨癒合が得られず,受傷23ヵ月後にアナトミカル形状を有する髄内釘と腓骨移植による偽関節再手術を実施した.その後,良好な骨癒合が得られ,現在は疼痛なく歩行可能である.【考察】偽関節形成の一因として,大腿骨の著明なbowing deformityと固定性不良が考えられ,著明な変形を伴う骨Paget病の骨折に対しては,強固な固定性の獲得と,適切なインプラントの選択が重要と思われた.

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