当科における同種保存骨の使用状況

DOI

この論文をさがす

抄録

【はじめに】当科では人工関節手術時に採取した骨を同種保存骨として使用している.直近の同種骨採取状況と使用実績について検討した.【対象と方法】2011年,2012年度における当科人工関節手術の際に277例の同種骨を採取した.採取部位の内訳は大腿骨頭が230例,脛骨顆部が47例であった.同種骨は日本整形外科学会のガイドラインに準じ,採取,冷凍保存後,解凍使用した.同種骨の使用実績と有害事象等の追跡調査を行った.【結果】同種骨移植を行ったのは219例であった.うち,最も多く使用したのは人工股関節再置換術69例であり,次いで脊椎固定術55例,高位脛骨骨切り術28例,股関節骨切り術22例,骨接合術15例,偽関節手術7例などが主たる手術であった.感染や骨癒合不全など同種骨に起因することが明らかな合併症は認めなかった.【考察】人工関節手術が年々増加している中,採取骨を廃棄せず同種骨移植として利用することは,その効果や医療経済的にも有益な方法である.

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ