フッ素四ケイ素雲母層間に固定化されたフッ素原子置換α-ジイミン配位子を有するニッケル(II)錯体を不均一系触媒とするエチレンのオリゴメリゼーション

書誌事項

タイトル別名
  • Nickel(II) Complex Bearing Fluorine-substituted α-Diimine Ligand Immobilized in Fluorotetrasilicic Mica Interlayer as Heterogeneous Catalysts for Ethylene Oligomerization

抄録

ニッケル交換したフッ素四ケイ素雲母と配位子[Ph’–N=C(Me)–C(Me)=N–Ph’; Ph’=C6H5–, 2-FC6H4–, 4-FC6H4–, 2,4-F2C6H3–,および2,4,6-F3C6H2–]の直接反応により不均一系α-ジイミンニッケル触媒を調製した。調製した触媒を汎用のアルキルアルミニウム化合物であるトリエチルアルミニウムやトリイソブチルアルミニウムによって活性化すると,直鎖α-オレフィン類を生成するエチレンのオリゴメリゼーションに対して高い触媒活性が容易に得られた。配位子のフェニル基上にフッ素原子を導入すると触媒活性が向上し,2,4-ジフルオロフェニル基を持つ触媒で最高活性が得られた。このフッ素原子の触媒活性への効果は,フッ素原子がニッケルの電子密度を低下させたためである。生成したオリゴマーの組成はシュルツ・フローリー分布に従い,その定数は0.53~0.65であった。直鎖α-オレフィンへの選択率は,すべての実験で90 mol%以上であった。すべての重合において明瞭な長い誘導期が観測され,それは反応温度を上昇させると短くなった。この興味深い触媒挙動は,触媒の特異な層状構造に由来する複雑な活性化メカニズムのためと考えられる。

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