小児の気管・気管支異物症例の検討

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タイトル別名
  • A Review of Cases of Tracheobronchial Foreign Bodies in Children
  • ショウニ ノ キカン キカンシ イブツ ショウレイ ノ ケントウ

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抄録

小児の気管・気管支異物の23症例について,検討を行った。発症年齢は,2歳以下が16例で70%を占めた。男女比は1.9:1であった。異物内容では,X線透過性異物は19例で,ピーナッツが12例と最も多かった。非透過性異物は4例であった。1週間以上経過して摘出術を行った症例が8例(35%)あり,肉芽形成,その他の合併症がみられた。早期診断・摘出のために親向け・医家向けの啓発が必要と思われた。介在部位は,右気管支11名,左気管支11名,気管1名であった。胸部単純X線検査は全例に行われていたが,その他に,肺血流シンチグラフィが9例,CTは8例,MRIは4例で施行されていた。肺シンチグラフィ,CTは簡便に行え,診断精度向上にも有用と思われた。摘出前の,気管支ファイバースコープによる観察は,術後の声門下腫脹回避,喀痰除去,異物情報収集に役立つと思われた。摘出は,20例で硬性気管支鏡,3例で気管支ファイバースコープを用いた。異物摘出後も,肺炎その他の合併症による呼吸障害をきたすこともしばしばあり,耳鼻咽喉科など摘出担当科と小児科を中心としたチーム医療が必要と考える。

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参考文献 (14)*注記

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