顔面鈍的外傷後に縦隔気腫および喉頭浮腫を生じた1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case Report of Mediastinal Emphysema and Laryngeal Edema due to Blunt Facial Trauma
  • 症例 顔面鈍的外傷後に縦隔気腫および喉頭浮腫を生じた1例
  • ショウレイ ガンメン ドンテキ ガイショウ ゴ ニ ジュウカクキシュ オヨビ コウトウ フシュ オ ショウジタ 1レイ

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抄録

顔面鈍的外傷後の縦隔気腫や喉頭浮腫に遭遇する機会は稀であるが,初期診断,初期治療が適切になされなければ致命的状況になりうる。今回われわれは顔面鈍的外傷後に縦隔気腫,喉頭浮腫を発症した症例を経験したので報告する。症例は68歳男性。飲酒後,自転車で走行中に転倒して下顎体右側から頬部を打撲した。徐々に咽喉頭違和感,発声困難が出現し,前医で喉頭蓋,披裂部の浮腫を指摘され大阪市立大学医学部付属病院に搬送となった。来院時,顔面にのみ擦過創を認めた。内視鏡検査で喉頭蓋,披裂部の腫脹を認めた。CTでは眼窩底骨折,眼窩内側壁骨折,眼窩内および副咽頭間隙,縦隔に気腫像を認めた。緊急入院とし気管切開を行い,絶飲食の上,抗生剤投与を行った。喉頭蓋腫脹の消失,CTで縦隔気腫の消失を確認し気管切開カニューレを抜去して第29病日退院となった。本症例では頸部捻転により咽頭粘膜に裂傷が生じ副咽頭間隙・縦隔気腫を形成したと考えられた。また喉頭浮腫は頸部捻転による循環障害,炎症により生じたと考えられた。頭頸部外傷症例では,頸部・胸部症状の有無にかかわらず喉頭浮腫,縦隔気腫をも念頭において適切な対応が必要であると考えられた。

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