高度肥満,血友病A, HIV・HCV感染症のある患者に対する気管切開術

書誌事項

タイトル別名
  • Tracheostomy in a Patient with Morbid Obesity, Hemophilia A, and HIV/HCV Co-infection
  • 症例 高度肥満,血友病A,HIV・HCV感染症のある患者に対する気管切開術
  • ショウレイ コウド ヒマン,ケツユウビョウ A,HIV ・ HCV カンセンショウ ノ アル カンジャ ニ タイスル キカン セッカイジュツ

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抄録

高度肥満と血友病A,HIV・HCV感染症を伴う患者に対する気管切開術を経験したので報告する。症例は42歳,男性。2歳時に血友病Aと診断され,出血症状を反復していた。また,20代でHIV陽性,30代でHCV陽性となった。頭痛・発熱を訴えて当院救急外来を受診し,右硬膜下血腫の診断で緊急入院したが,夜間に心肺停止状態となり気管内挿管された。挿管後9日目でも人工呼吸器から離脱できず,気管切開術目的に当科へ紹介された。身長172 cm,体重は推定120 kg以上,body mass index (BMI) は推定40.6以上で高度な肥満を認めた。術前のCTでは,皮膚から輪状軟骨直下までの厚みが約7 cmであった。術前に第VIII因子製剤の投与と血小板輸血を行ったうえで,全身麻酔下に気管切開術を施行した。鎖骨上約2横指で16 cmの襟状切開を行い,皮弁を上下に挙上したのち,皮下組織および前頸筋周囲から脂肪組織を切除して皮下の厚みを減量した。輪状軟骨直下で逆U字切開を行い,GBアジャストフィット®を挿入した。術後は徐々に呼吸状態は改善し,術後74日目にカニューレを抜去して気管切開孔を閉鎖することができた。閉鎖後も声門下狭窄や呼吸状態の悪化は認めなかった。

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参考文献 (6)*注記

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