わが国の国際保健医療協力におけるヘルスプロモーション戦略の活用

DOI
  • 湯浅 資之
    北海道大学医学研究科予防医学講座公衆衛生学分野
  • 中馬 潤子
    国際協力機構 東北ブラジル健康なまちづくりプロジェクト元長期派遣専門家
  • 蝋山 はるみ
    国際協力機構 東北ブラジル健康なまちづくりプロジェクト元長期派遣専門家
  • 建野 正毅
    国立国際医療センター国際医療協力局

書誌事項

タイトル別名
  • Application of Health Promotion Strategy to International Health Cooperation of Japan

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抄録

健康は、個人の医学生物学的特性のほかに行動要因や社会環境的要因によっても大きく影響を受けている。世界保健機関は1986年にカナダのオタワでヘルスプロモーションに関する憲章を公表した。それは、人々が健康を規定するこうした様々な要因を自らコントロールし、健康を改善していくことができるようにさせる戦略であった。従って、リスクのある行動や不適切な社会的、自然的環境に由来する疾病や傷害を予防するには、ヘルスプロモーションは不可欠な戦略であると言える。全ての開発途上国は行動と環境に関係する多くの健康問題を抱えているので、この戦略は有用であると思われる。我が国はこれまで多くの健康教育や環境改善の諸活動を通じてかかる健康の決定要因を制御してきた経験を有している。このため、途上国に対する政府開発援助による国際保健医療協力において、我が国はヘルスプロモーションに基づくプロジェクトを一層促進していくことが望まれる。

収録刊行物

  • 国際保健医療

    国際保健医療 22 (3), 127-132, 2007

    日本国際保健医療学会

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