東京医科大学附属病院皮膚科外来における皮膚細菌感染症の疾患別分離菌頻度と薬剤感受性について

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Susceptibility to Antimicrobial Agents and the Frequency of Isolated Microbial Species from Bacterial Infections of the Skin and Skin-related Structures at Tokyo Medical College Hospital.

この論文をさがす

抄録

1989年から1991年に東京医科大学皮膚科外来を受診した皮膚細菌感染症患者のうち, 細菌培養を施行した764例について疾患別分離菌頻度と, 黄色ブドウ球菌(黄ブ菌), コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)および連鎖球菌について薬剤感受性を検討した。毛嚢炎, 膿疱性ざ瘡ではCNSが, せつ·癰群, 伝染性膿痂疹·深膿痂疹群, 丹毒·蜂窩織炎群では黄ブ菌が多く検出された。慢性膿皮症ではCNSとグラム陰性桿菌など多彩な菌が検出された。二次感染群では手足を除く湿疹·皮膚炎群で高率に黄ブ菌が分離され, 足白癬·異汗性湿疹·手湿疹群では, 連鎖球菌が黄ブ菌に次いで多くみられた。グラム陰性桿菌は, 足白癬·異汗性湿疹·手湿疹群, 潰瘍·褥瘡群で比較的多くみられた。黄ブ菌はPCGで半数以上, PIPC, EMではそれぞれ約30%, 約20%が感受性無しであった。セフェム系ではすべてで90%以上が薬剤感受性有りであった。CNSではPCG, DMPPC, EM, FOMで20%前後が感受性無しであったがその他の薬剤では感受性は良好であった。連鎖球菌はAMK, OFLX, DMPPCでそれぞれ約95%, 約35%, 約20%が感受性無しであった。DMPPC以外のペニシリン系, セフェム系薬剤では100%が感受性有りであった。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 56 (3), 486-493, 1994

    日本皮膚科学会西部支部

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ