書誌事項

タイトル別名
  • Cowden’s Disease
  • Cowden’s Disease

この論文をさがす

抄録

22歳の女性。19歳時, 腺腫様甲状腺腫を全摘。20歳時, 顔面中央部, 耳介, 耳後部, 手背, 足背部に多数, 手掌, 手指に数個隆起性の結節, 舌背部に敷石状の結節が出現した。顔面の結節の病理組織学的所見はhyperkeratotic acanthoma, inverted follicular keratosis, 手にhyperkeratotic papilloma, Schwannomaなどが認められた。その他, アデノイド顔貌, 巨大頭蓋, 副耳, 高弓口蓋, 舌の肥大·亀裂がみられた。食道粘膜に本症に特徴的な表面光沢性白色調の顆粒状ポリポーシスを認めた。本疾患は諸臓器に三胚葉由来の過形成性または異常増殖を主体とした疾患である。本邦で報告された60症例を集計したところ, 本症に皮膚病変(顔面の丘疹98.3%, 口腔粘膜95%, 四肢の丘疹78.3%, 掌蹠の点状陥凹60%)と消化管ポリポーシス(90%)はほぼ必発であり, 甲状腺病変(68.3%)は高率に発症し, 乳癌(20%)の合併頻度が高く, 甲状腺癌, 大腸癌, 結腸癌, 生殖器癌とともに若年発症の傾向があることが見出された。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 61 (3), 304-309, 1999

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (31)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ