骨髄性プロトポルフィリン症の2例

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タイトル別名
  • Two Cases of Erythropoietic Protoporphyria

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抄録

症例1: 57歳,男性。幼少時から日光曝露により露光部に紅斑,小水疱が出現するようになった。原因が不明のまま,皮疹が出現した時のみ近医で外用療法を受けていた。症例2: 7歳,男児。2,3歳頃から露光部に被刺激感とともに浮腫性紅斑が出没していた。2000年9月,長時間の日光曝露で同様の症状が出現し,湘南皮膚科を受診した。ポルフィリン症を疑われ,当科を紹介された。両症例とも尿中ポルフィリン体は認められなかったが,光溶血試験は陽性で,赤血球プロトポルフィリンの高値を認めた。臨床症状,病理組織所見および赤血球蛍光現象で蛍光赤血球も認められたことから,両症例を骨髄性プロトポルフィリン症と診断した。症例1ではGOT,GPT,γ-GTPの軽度上昇を認めた。症例2では肝機能に異常は認めなかったが,腹部超音波検査で胆石症を指摘された。2症例とも誘発テストでは皮疹の再現はできなかったので,本症の本邦報告例における誘発テストについても考察した。また,骨髄性プロトポルフィリン症に合併する肝障害や胆石症について文献的考察を加えて報告した。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 65 (5), 446-450, 2003

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (21)*注記

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