免疫グロブリン投与により改善したTEN型薬疹の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Effectiveness of Immunoglobulin Therapy: a Case Report of Toxic Epidermal Necrolysis
  • 症例 免疫グロブリン投与により改善したTEN型薬疹の1例
  • ショウレイ メンエキ グロブリン トウヨ ニ ヨリ カイゼン シタ TENガタヤクシン ノ 1レイ

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抄録

81歳,女性。2000年1月上旬に近医から処方された総合感冒薬,消炎鎮痛剤(フェンブフェン:ナパノール®)内服2週間後に全身紅斑,発熱,血圧低下が出現したため,1月26日に八重山病院を受診した。初診時はほぼ全身の紅斑,皮膚弛緩を認め一部はびらんの状態であった。臨床的にtoxic epidermal necrolysis(TEN)型薬疹と診断し初日ステロイド全身投与を行った。翌日の検査所見では白血球の極度な左方偏位及び炎症反応の増加を認め敗血症の可能性を考え,免疫グロブリン(20g/日)5日間の全身投与を行った。投与終了後にはびらん面の早期の上皮化が見られ,約1ヵ月でびらん面はほぼ上皮化した。経過中に突然呼吸停止等の重篤な状態となったが,呼吸管理及び熱傷に準じた治療を行い救命できた。本邦では過去10年に5例の免疫グロブリン投与を行った報告があり,その有効性が示唆されている。TEN型薬疹における治療について若干の文献的考察を加え報告した。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 67 (6), 611-614, 2005

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (19)*注記

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