好酸球性筋膜炎の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Eosinophilic Fasciitis
  • 症例 好酸球性筋膜炎の1例
  • ショウレイ コウサンキュウセイキンマクエン ノ 1レイ

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抄録

29 歳,男性。初診 6 ヵ月前よりフットサルを始めた。1 ヵ月前より両前腕と両下腿に腫脹が出現し,近医受診後,精査加療目的に当科紹介受診した。初診時,手指,足趾を除く,両側の前腕,下腿に,対称性に疼痛を伴う浮腫と皮膚硬化を認め,四肢に軽度の関節痛を伴っていた。レイノー現象,爪上皮出血点は認めなかった。末梢血好酸球増多とアルドラーゼ上昇があり,MRI にて有痛部に一致して下腿筋群に異常信号を認めた。病理組織学的検査にて,真皮中層から下層にかけて膠原線維の膨化,増生を認め,真皮浅層~深層,脂肪織に軽度~中等度のリンパ球と好酸球の浸潤を認めた。総合的に判断し,好酸球性筋膜炎を疑った。プレドニゾロン 20 mg/日内服で治療開始し,軽快した。好酸球性筋膜炎による筋膜の線維化は,一度完成すると基本的に不可逆と考えられ,関節可動制限や,手・足根管症候群の併発の恐れがあるため,速やかな治療開始が望ましい。自験例では,早期の診断と治療開始が治療成功の要因であったと思われた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 75 (3), 211-214, 2013

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (3)*注記

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