書誌事項
- タイトル別名
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- A case of crossed aphasia in a right-handed Japanese-Korean bilingual.
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抄録
われわれは,日本語と韓国語併用者の右利きの交叉性失語の1例を報告した。症例は75歳の男性で神経学的所見は,軽度の左不全片麻痺および全失語を認めていた。頭部MRI検査では,右中大脳動脈領域に広範な梗塞巣を認めた。言語所見は,自発話で「aigo : 」のみの残語を呈し全失語と診断された。本症例の言語習得タイプは等位型で,言語回復過程は,日本語の聴覚的理解のみが改善し,韓国語では改善がみられなかったことから,日本語の選択的回復形式と判断した。本症例の言語症状の改善の要因は, (1) 自然回復の可能性, (2) 日本語の習熟度が,韓国語の習熟度より高かった可能性, (3) 日本語のみの言語訓練を受けた影響の3つが考えられた。本症例は,日本語および韓国語で右利き交叉性失語を呈しており,両国語の言語機能は,右半球に側性化していたと考えられた。
収録刊行物
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- 失語症研究
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失語症研究 17 (2), 170-177, 1997
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204762464384
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- NII論文ID
- 130004482466
- 10008100722
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- NII書誌ID
- AN00329488
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- ISSN
- 18806716
- 02859513
- http://id.crossref.org/issn/02859513
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可