大網原発gastrointestinal stromal tumor(GIST)と確定診断された高齢女性の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of a primary gastrointestinal stromal tumor (GIST) found in the greater omentum of a 99-year-old woman
  • 症例報告 大網原発gastrointestinal stromal tumor (GIST)と確定診断された高齢女性の1例
  • ショウレイ ホウコク タイモウ ゲンパツ gastrointestinal stromal tumor GIST ト カクテイ シンダン サレタ コウレイ ジョセイ ノ 1レイ

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抄録

今回我々は,大網原発gastrointestinal stromal tumor(GIST)と確定診断された高齢女性の1例を経験したので報告する.症例は99歳女性.心不全,腎不全にて当科に入院を繰り返していた.2003年施行のCTにて胃と脾臓の間に位置する直径約10 cm大の腫瘤を認めていたが,高齢であり,手術希望がなかったために経過観察されていた.呼吸困難,全身状態悪化にて2006年8月に緊急入院となった.入院時呼吸苦があり,経鼻カヌラで酸素2 L/分投与下での経皮的酸素飽和度は98%であり,Japan Coma Scale(JCS)10∼20と意識障害を認めていた.また,るい痩が目立ち,四肢には表皮剥離や潰瘍の形成が見られていた.入院後酸素,利尿剤等を投与するも反応不良であり全身状態は改善しなかった.第30病日に暗赤色の下血を認め,下血直後より意識状態はJCS 300に低下が見られた.心不全増悪ならびに播種性血管内凝固症候群の状態となり,第31病日に死亡となった.同日病理解剖施行.CTで認められていた腫瘍は,組織学的には紡錘形細胞が優勢で,核の柵状配列を認め,核分裂像は50 high-power fieldあたり5個未満と少なかったが,免疫染色にてc-kit陽性であり,大網原発GISTと確定診断された.GISTは50∼60歳代に好発する間葉系の腫瘍であり,胃(60%)や小腸(35%)などの消化管原発のものが多い.腸間膜や大網原発の報告例は少なく,90歳代と超高齢者は非常に稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.<br>

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参考文献 (23)*注記

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