1.生活習慣病モデル動物のサルコペニア研究への応用

  • 杉本 研
    大阪大学大学院医学系研究科老年・腎臓内科学

書誌事項

タイトル別名
  • The application of life style diseases-animal models to the research for sarcopenia

抄録

加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)は,高齢者の転倒につながる病態として,その成因解明や予防法確立が注目されている.しかし,成因解明のための研究に適した動物モデルが少なく,また動物の高齢化に時間を要するなどの問題点がある.一方,生活習慣病の存在がサルコペニアを加速させることを示唆する報告から,生活習慣病モデル動物がサルコペニア研究に応用できる可能性がある.FBNF1ラットや自然発症高血圧ラット(SHR)に高脂肪高炭水化物食を負荷することで,サルコペニアに典型的な表現型や分子生物学的変化が,高齢化を待たずとも得られることがこれまでの検討で示されている.全身性炎症のモデルや遺伝子改変モデルは,筋量低下は呈するものの,サルコペニアに特徴的な速筋成分優位な量的減少が認められない.ヒトサルコペニアの表現型を示す動物モデルの確立は重要課題であるが,食事負荷したFBNF1やSHRは,その候補となり得ると考えられる.また,運動後の骨格筋から産生されるサイトカイン(マイオカイン)が注目されており,マイオカインが筋修復能を促進し筋肥大を誘導することから,マイオカイン産生調節がサルコペニア予防の新たなターゲットとなる可能性が考えられる.<br>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680001065088
  • NII論文ID
    130004485891
  • DOI
    10.3143/geriatrics.50.766
  • COI
    1:STN:280:DC%2BC2crjtFCnsA%3D%3D
  • ISSN
    03009173
  • PubMed
    24622221
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • PubMed
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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