重症虚血肢に対するバイパスおよび遊離組織弁移植の同時手術症例の検討

DOI
  • 竹林 聡
    社会医療法人敬和会大分岡病院心血管センター心臓血管外科
  • 迫 秀則
    社会医療法人敬和会大分岡病院心血管センター心臓血管外科
  • 高山 哲志
    社会医療法人敬和会大分岡病院心血管センター心臓血管外科
  • 岡 敬二
    社会医療法人敬和会大分岡病院心血管センター心臓血管外科
  • 古川 雅英
    社会医療法人敬和会大分岡病院創傷ケアセンター形成外科
  • 澁谷 博美
    社会医療法人敬和会大分岡病院創傷ケアセンター形成外科
  • 葉玉 哲生
    社会医療法人敬和会大分岡病院心血管センター心臓血管外科
  • 立川 洋一
    社会医療法人敬和会大分岡病院心血管センター循環器科

書誌事項

タイトル別名
  • Combined Vascular Reconstruction and Free Flap Transfer in Patients with Critical Limb Ischemia

抄録

【目的】糖尿病,透析患者の増加に伴い,重症虚血肢症例も増加している.バイパス術,血管内治療,血管再生医療などの治療法が発達しているが,それでもなお救肢できずに下肢切断術に至るケースも依然少なくない.このような従来の血行再建のみでは救肢困難な重症虚血肢症例に対して当院ではバイパスに加えて遊離組織弁(皮弁・筋皮弁)移植を行い,良好な成績をあげている.これらの症例について検討したので報告する.【方法】2004年2月から2010年4月までに当院で経験した911部位の下肢難治性潰瘍症例のうち,足部に潰瘍,壊死を生じ,血行再建が困難あるいは血行再建単独では救肢できないと判断され,バイパス+遊離組織弁移植術を要した7例(男6,女1)を対象とした.平均年齢67.1歳(44–77歳)で,原因疾患は全例閉塞性動脈硬化症であった.6例は糖尿病を合併し,4例は透析患者であった.手術は全例大伏在静脈グラフトを用いたdistal bypassによる血行再建術と遊離組織弁移植術を一期的に行った.筋皮弁は初期の2例を除いて広背筋を用いた.術後は可及的早期に装具を作成し,リハビリテーションを積極的に行った.【結果】皮弁壊死した1例を除いて下肢切断せずに救肢できた.救肢6例のうち4例は自力歩行,1例は装具歩行と5例で歩行能を維持できた.【結論】遊離組織弁移植とバイパス術を併用することにより,従来救肢困難であった重症虚血肢症例において,救肢のみならず多くのケースで歩行可能であった.一期的に手術を行うことで術後早期のリハビリテーションが可能となり,高い歩行能の維持につながっている.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679391607424
  • NII論文ID
    130004490405
  • DOI
    10.11401/jsvs.20.921
  • ISSN
    1881767X
    09186778
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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